「超」高硬度材
金型加工技術
セミナーレポート

2019年10月9日(水)~11日(金)の3日間にわたり弊社厚木事業所にて開催されました「超」高硬度材金型加工技術セミナーの内容をレポートとしてご報告申し上げます。

近年、自動車や家電、モバイル機器などにおいて組み込まれるデバイス(カメラをはじめとするセンサ類、高性能化した電池、ディスプレイをはじめとするマンマシンインターフェース)を一つにまとめたうえでのダウンサイジングが必要とされています。

これらを金型加工によってカタチにしていく過程では、焼き入れ鋼や超硬を始めとするより硬い難削材に対し、より細かな形状を、より精度よく、より綺麗な面に加工することが求められます。

今回のセミナーでは硬い難削材を使用する金型に対し、短い時間で高品質に加工する技術をご紹介させていただきました。

01〜高硬度材の精密加工〜

付加価値創造に貢献する切削加工技術

微細 精密加工機 iQ500
iQ500

加工事例

① 焼き入れ鋼への微細溝加工
焼き入れ鋼への微細溝加工
ワーク:
DC53(HRC60)20㎜×10㎜×10㎜
使用工具:
Φ0.06 バインダレスCBN工具
加工時間:
2時間6分
ポイント:
微細溝の深さ精度1μm以下
② ハイス鋼パンチ加工
ハイス鋼パンチ加工
ワーク:
HAP40(HRC65)50㎜×20㎜×10㎜
使用工具:
Φ5 PCD工具
加工時間:
3時間44分
ポイント:
1μm単位の寸法調整が容易に実現

ユーザ事例

① 鍛造金型メーカ様

放電加工+磨きで製作していた超硬金型をiQ300で直彫り加工化。
直彫り加工により精度向上&磨きレスを達成、型寿命は従来の7倍以上。

② 切削工具金型メーカ様

工具製造および同業メーカからの委託加工も請け負っており、ほぼ100%超硬加工。
電極作成⇒放電加工⇒磨きでトータル11時間かかっていたものが直彫りにすることで2時間で終了し型寿命も5倍程度となった。
また、寿命が長い型の売値も2倍に。

02「高精度」「手間の削減」「高速加工技術」

形彫り放電加工技術

NC形彫り放電加工機 EDAF3
EDAF3

加工事例

最小コーナR加工
最小コーナR加工
最小コーナR加工
ワーク:
SKD11(HRC60)3㎜×3㎜×20㎜
加工時間:
1時間30分
ポイント:
コーナR 5μmを安定的に実現

電極切削加工事例

バリレス電極
バリレス電極
バリレス電極
ワーク:
Copper
加工機:
iQ300
使用工具:
単結晶ダイヤモンド工具
ポイント:
電極切削加工ワークにバリが見られない

手間の削減事例

手間の削減事例
手間の削減事例

切削と放電の長所を活かした
加工事例

燃料電池セパレータ金型

燃料電池セパレータ金型

幅1mmの溝を前面に加工

幅1mmの溝を全面に加工

ワーク:
超微粒子超硬合金 100㎜×100㎜×15㎜
加工機(加工時間):
荒加工 EDAF3(15時間)
仕上加工 iQ300(33時間)
ポイント:
①放電加工で荒加工効率、コストを最適化
②PCD工具による切削仕上加工で面粗さ向上、変質層の無い加工面

03アンケート

セミナー終了時の来場者調査

Q. これからの高硬度材金型の仕上げ方法は?

アンケート結果

Q. 本セミナーはお役に立つ内容でしたか?

アンケート結果

Q. 次回のイベントに参加したいですか?

アンケート結果

ご意見

  • 放電加工で荒取加工後、マシニングで鏡面加工するという加工工程が面白いと思いました。
  • 高硬度の荒削り加工、仕上げ加工のデモ含めた実条件と牧野フライス殿の機械特性を含めたセミナーがあれば更に良いと思います。
  • 工場見学の時間割、内容も予め情報が欲しかったです(主軸頭工場見学があるなら違う人選もあり得ました)。
  • セミナー+工場見学させて頂いたことで理解が深まり、大変勉強になりました。
  • 実演時間をもう少しとっていただけるとより良いと思います。
  • 加工と放電の両方からのアプローチ、主軸工場見学、セミナー後のご相談など充実したセミナーとなりました。
  • 放電加工の内容がもっと技術的な内容を教えて欲しかった。
大変多くの皆さまにご来場いただき、
誠にありがとうございました。